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2023年版スカルス手工芸学校への留学 費用や申込方法

手芸留学

2023.09.30

私が留学したのは2009年なので、だいぶ昔です。今とは講座の内容などは違っているかもしれませんが、まーだいたいは同じだと思うので、これからスカルス手工芸学校に留学したいな〜と思っている方は最後まで読んでイメージを膨らませてくださいね。

 スカルス手工芸学校の概要。場所は?フォルケとは?

スカルス手工芸学校の場所

スカルス手工芸学校は数年前に名前が変わって、スカルス手工芸デザイン学校になりました。デンマーク語だとskals hojskolen for design og haandarbejdsです。

場所は、デンマークのヨーロッパ大陸とつながったユトランド半島の北の方にあり、コペンハーゲンからは電車とバスを乗り継いで5時間くらいです。ちなみに、デンマークの首都コペンハーゲンはジーランドという島にあります。

コペンハーゲンから5時間くらいかかるので、コペンハーゲンのカストラップ空港にはお昼までに到着していないと移動ができないので、午前中に到着する便に乗るのがよいです。私が留学した2009年時は、成田〜コペンの直行がコペンに到着するのが午後の便しかなかったので、コペンで1泊してスカルスへ移動しました。

オーフスまで飛行機で行って、オーフスから電車で行くという手もありますが、オーフス空港はアクセスがあまりよくなくて、駅まで遠かったような気がします。私は学校の休暇中にロンドンに遊びに行った時にオーフス空港を利用しました。学校のお休みを利用して、ヨーロッパのいろんな場所に旅行に行けるのも留学の醍醐味です。

ちなみに、電車のチケットはDSBというサイト(アプリもある)で購入できます。コペンハーゲン中央駅からヴィボーまで、乗り継ぎ2回、4時間半で一番安いチケットで281DKK (約6000円)でした。ヴィボーからバスで20〜30分の場所に学校はあります。

2009年はGoogleマップも今ほど性能がよくなかったので、印刷した地図を片手に電車を乗り継ぎ、スカルスまでたどり着いた記憶があります。田舎にあるので、ほんとにここで合ってるの?ってドキドキしながら行きました。今でも自分がスカルスに辿り着けたことが信じられないくらいです。

コペンハーゲン中央駅からオーフスまで行き、そこから乗り継いでヴィボーまで行きます。ヴィボーからバスなのですが、バスも30分に1本とかいうレベル…私は駅からタクシーで行こうと思っていたのですが、タクシーはいませんでした。

コペンハーゲンでも流しのタクシーはほぼ見かけません。TAXAというアプリで呼ぶときますが、スカルスみたいな田舎でこのアプリが作動するかは謎です。バスで行くと思っておいたほうがいいかもしれません。

学校近くのフィヨルドをみんなでお散歩

フォルケホイスコーレとは?

まず、フォルケホイスコーレをご存知ない方のためにざっくり説明します。フォルケホイスコーレとは、北欧独自の教育機関です。フォルケは人々、ホイはハイ(高い)、スコーレはスクール(学校)です。日本語にすると国民高等学校になりますね。デンマークのグルントヴィという牧師さんが作ったシステムです。このグルントヴィという人は、デンマークでは超重要人物でコペンハーゲンにグルントヴィの教会があり、とっても素晴らしい建物なのでコペンに立ち寄る方はぜひ行ってみてくださいね。

フォルケは成績や入試などもなく、学びたい人が学べる場所です。年齢制限も17歳以上であればOK!基本的には全寮制で、先生も生徒もみんな寮に住み、同じ釜のご飯を食べて生活を共にします。今は、寮に入らずに通いで通える学校もあります。

テストも入試も何もないので、フォルケを卒業しても学位などはもらえません。

このフォルケホイスコーレは国民のための学校です。なので、私の留学した時は、生徒の3分の2はデンマーク人でなければならず、受け入れ人数はデンマーク人の数によっても変わります。そもそもこのフォルケには税金が使われているので、私たち留学生の学費もすごく安いですし、医療費も無料です。

さらに詳しいことを知りたい人は、Wikiにもページがあるので調べてみてくださいね。

スカルスのプログラムの種類

大きくわけると2種類のプログラムがあります。

長期のコース&中期コース

長期コースは23週間、短期コースは17週で、洋裁・刺繍・機織りの3つが必修で、陶芸、革、フェルト、編み物など選択科目があります。(今は、洋裁、刺繍、機織りの次に編み物にも多くの時間が使われるそうです)

このコースの場合「刺しゅうだけやりたい」などの融通はききませんので、刺繍だけできると思って長期留学をすると思っていたのと違う…となってしまうと思います。選択授業のほかに、ワークショップが開かれたり、夜にみんなで集まって何か作ったりもしました。

長期コースには、修学旅行や遠足もあります。私のときはベルリンに行きました。行き先は年によって違いますが、パリやベルリンに行き美術館やデザイナーのアトリエを訪問します。遠足はスケーエンというユトランド半島最北端に行ったりしました。

短期コース

短期コースは1週間です。1週間同じことだけをします。たとえば、刺しゅうのコースを申し込んだら1週間ずっと刺しゅうをします。1週間だとちょっと短いのですが、やりたいことが決まっている人はこちらのコースのほうがいいかもしれませんね!

短期コースには、刺繍も白糸刺しゅう、コンテンポラリーな刺しゅう、モノグラム刺しゅう、などたくさん種類があります。その他にも、洋裁や機織り、プリント、編み物、バンド織、バスケット作り、アクセサリー作りなどいろんなコースがあります。

これは、あらかじめ日程が決まっているので、希望のコースに合わせた週に学校にいきます。

私が一番好きだった私の部屋から近いお教室

気になる費用!

費用は毎年変わるので、必ずご自身で確認をしてください。

28才以下の方は割引料金があるみたいです。

長期&中期コースの費用

1週間1895 DKK(約4万円)です。一人部屋を希望する場合は1週間250DKKが追加されます。登録料が2500DKK(約5万3千円)。

修学旅行や遠足の費用として、春コースの場合はプラス4800DKK(約10万円)、秋コースの場合は1700DKK(約3万6千円)だそうです。

材料費はだいたい1ヶ月で700~1000DKK(約1万4千円〜2万1千円)がまた追加で発生します。

1週間コースの費用

授業料、宿泊費、食事代、リネン代が込みで3000DKKです。私が数年前に申し込んだときは、一人部屋を希望する場合は追加料金が250DKK発生しました。

3000DKKは2023年9月現在、約63000円です。

学費の他に登録料が1000DKK(約2万円)追加でかかります。

高くてびっくり!

23週コースだと100万円近くなってしまう〜。私が留学した2009年は、修学旅行や遠足代が学費に含まれていたので、航空券と学費を入れても50万円でお釣りが来ました。

デンマーククローナは2023年9月現在、1クローナ21円越えてますが、私が留学したときは16円、去年まで17.5円くらいだったので、円安が恐ろしいです。あと、デンマークはめちゃくちゃインフレで物価がかなり上がっています。フォルケホイスコーレなんて超安く留学できることで人気だったのに、手が届かない留学になりつつありますね。

学位がもらえないことを考えると、ちょっと考えてしまうかも…

航空券

今は羽田〜コペンハーゲンの直行便がSAS(スカンジナビア航空)から出ています。コロナで直行便が廃止されていましたが、また今年の夏から再開しました。直行便が安心かと思いますが、若い人は乗り継ぎ便で安いチケットを探してもいいかもしれませんね。

ちなみに、荷物はめちゃ増えます。作ったものは全部持って帰るので、空のスーツケースを1つ持っていくか、デンマークから荷物を送るか。私はコペンハーゲンの空港で重量オーバーで追加料金が10万円くらい発生することになり、泣きました。。

学校生活

学校生活はすごく楽しいです。朝は食堂で朝ご飯を食べて、8時半頃から朝礼。デンマークはプロテスタントの国でフォルケを創設したグルントヴィさんも牧師だったこともあり、朝礼ではみんなで聖歌を歌います。

先生がなんか話すんだけど、デンマーク語なので1ミリもわからず。重要なことは近くに座ったお友達が英訳をしてくれていました。朝の朝礼中は編み物をしながら話を聞いている人がほとんどです。

朝礼が終わると、各クラスに散り、授業スタート。10時頃に1回カフェポというカフェタイムがあり、コーヒーやスナック、ニンジンなどがでます。カフェポが終わったらランチまで授業。ランチをしてまた午後の授業、おやつはキッチンの人がいつもケーキなどを焼いてくれてたので太ります。

15時頃に学校が終わり、フィヨルドにランニングやお散歩に行ったり、空き教室で課題をしたり、休憩室でお友達と喋ったり、ヴィボーという近くの街に材料を買い物しに行ったり、お夕飯まで気ままに過ごします。

お夕飯後も、また編み物しながらおしゃべりしたり、先生がワークショップをしてくれたり、ずっと刺しゅうか編み物をして過ごしている感じです。私は夜は結構遅くまで頑張って刺しゅうをしたり課題の作品を作っていました。友達と徹夜(「てっちゃん」とか呼んでたくらい頻繁に)で作業することも頻繁にありました。20代で若かったからできたのかも。

私が習ったのは、洋裁、刺しゅう、機織りの必修科目のほかに、陶芸、レザー、フェルト、バスケット作り、アクセサリー作り、編み物です。バスケットは柳の枝を洗って乾かしたもので作るのですが、2つも作ったので持って帰るのが大変でした。確かこれは郵便で日本に送ったかも…

こんな感じですごいスペースを取りながら、お外でバスケットを編む授業がありました。すごく楽しかった〜。

学校の近くの街

学校の最寄りの街はヴィボー(viborg)という街です。ここは昔デンマークの首都だったこともあるそう。コペンからスカルスまで電車で行くときは、このヴィボーを目指すことになります。ヴィボーから学校まではバスで20分くらい。

ヴィボーにはいくつか毛糸屋さんと手芸屋さんがあり、スカルスの生徒だと割引で資材が購入できたりしました。今はどうかな?!

今は日本にもあるフライングタイガーというショップ。2009年には日本にはなかったのですが、なんでも高いデンマークで唯一安く購入できる場所として、ヴィボーのタイガーは重宝していました。ちょっとした文具とかボタンとか。何か必要なものがあると、まずはタイガーに行ったものです。

古い美しい教会などちょっとした観光スポットもあります。スカルスはレストランも古びた怪しいピザ屋が1軒しかなく、お店もなかったので(今はわからないけど)ヴィボーには大変お世話になりました。

デンマークは消費税が25%で、EUの中で2番目に人件費が高い国です。なので、お店でもレストランでも人を介すととにかくめちゃくちゃ高くなります。スカルスに行くのであれば、できるだけ手芸道具は持参するほうがいいです。クロバーの手芸用品も普通に売っているのですが、高いです。

布も学校でも買えるし、ヴィボーの生地屋さんでも買えますが、種類が少ない上に高いので、自前の材料をたくさん持っている人は持ち込んだほうがいいかもです。コペンハーゲンに住んでいる私は、刺しゅう用のリネンなどはドイツのネットショップで買っています。ドイツのほうが消費税が安いし、送料を入れてもデンマークで買うより安かったりします。ドイツのネットショップを使うのもありかもしれませんね!

ちなみに、DMCの刺しゅう糸も日本のほうが断然安いです!私は途中で日本から刺繍糸を送ってもらいました。

デンマーク語は必要?

不要です。キッパリ。

もしすでに英語がペラペラな方であれば、少し頑張ってデンマーク語を習得していったほうが楽しいでしょう。でももし英語ができない人であれば、デンマーク語ではなく英語を学んでから行ってください。

デンマーク語って難しい言語なわりにテキストも少ないし、勉強できる環境も英語に比べたら格段に少ないです。そして残念なことに、発音がすごく難しい言語なので、学校で意思疎通ができたり、授業のデンマーク語が聞き取れるレベルになるにはそれなりの時間がかかると思います。手芸用語は独特なので。

私もデンマークに住んでいますが、デンマーク語はなしでまったく問題なく暮らしています。デンマーク人のママ友曰く、デンマーク人にも発音が難しい音があってデンマーク人の子供でも7歳くらいまで正しい発音ができないこともあるそうです。そのくらい難しい言語なのです。文法は英語に似ているので、簡単です。読み書きは英語ができる人はすぐにできるようになります。

現地の人と少しコミュニケーションを楽しみたいのであれば、デンマーク語のいくつかの表現だけ覚えておけば十分です。

  • God moegem グモーン:おはよう
  • Tak タック:ありがとう
  • Goddag ゴッデー: 良い1日を
  • Hej hej ハイハイ:バイバイ
  • Undskyld ウンスキュル:すみません
  • Vi ses ヴィシース:あとでね〜 *これは学校でよく使う

デンマーク人のほとんどが英語を話せるので、学校生活でもお友達や近くにいる人が必要に応じて英語に訳してくれます。なので、ある程度の英語力は必要がないと重要なことを逃してしまうかも。

スカルスに行くのにもしデンマーク語を習得しようとしている人がいたら、英語力をUPさせて行ったほうが有益だと思うので、英語に注力することをお勧めします〜。

授業への取り組み方

スカルスの授業はカリキュラムもありますが、基本的には自分のやりたいことをする、作りたいものを作るというスタンスです。

刺しゅうであれば基本的なステッチは習うのですが、そのあとはそのステッチを使って何かを作るし、みんな違うものを作っています。先生も「さーみなさん、これをしましょう〜!」とは言いません。「何をしたいの?」って聞いてきます。

受け身な感じだとスカルスで学べることは少ないかもしれません。逆にやりたいこと、学びたいこと、知りたいことがある人は、たくさんのことを吸収できると思います!

図案もサンプルもたくさんあるので、「こんなことをしたいんだけど」って先生に相談するといろんなアドバイスももらえるし、周りの人も「こうしたら?」「こんなの見つけたけどあなたのプロジェクトにいいんじゃない?」という感じで広がっていくような感じがありました。

毎年日本人が来るので、学校側も日本人の受け入れには慣れているので、安心してたくさんのことを学べると思います。

学校への申し込みの方法

学校のサイトはこちら

google翻訳で見れば一発でわかりますが、右上の「Kurser」からコースの詳細を確認できます。

長期&中期コースはここから申し込みをします。詳細はここ

申し込みをしてお金を払うと学生ビザの取得に必要な書類などを送ってくれます。

1週間のコースはここから予定とクラスの内容が確認できます。

各クラスのページの右の黄色のところから申し込みができます。

長期のコースは1月のものは8月には申し込みをしたほうがいいと思います。外国人の受け入れ人数には限りがあるので。あと、コース開始の8週間前からキャンセル料がかかるのでここは要注意。

さいごに

スカルスに留学を検討されている方向けに記事を書いてみました。

前に書いていたブログに載せていた私の留学記です。今回の記事と少し重複する部分もありますが、1日のスケジュールなども載せてますので、よかったら読んでくださいね。

もっとこんな情報も知りたいというものがあれば、コンタクトのところからメールをいただければと思います。

ビザに関しての質問は大使館にするのが一番確実、学校の授業内容や金額などについては学校に直接聞くのが早いです。学校にメールをすると2〜3日くらい待つこともありますが、ちゃんとお返事はくれるのでわからないことや不安なことがあれば学校に聞いてみてくださいね。

ボイシーでも私のスカルス留学について話しています。よかったら聞いてくださいね。バックグラウンド再生もできるアプリでの視聴が便利です。刺しゅうなどの手芸中に聞いていただければ嬉しいです♡

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