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白糸刺しゅう本 ユキパリスさんの本を4冊ご紹介

白糸刺しゅう

2023.09.28

白糸刺しゅうの本には作品を作るための本もありますが、今日ご紹介するユキパリスさんの本は古い貴重な刺しゅうの作品がたくさん載っている写真集のような本です。

白糸刺しゅうは図案をゼロから起こすことはあまりなく、昔の図案をアレンジすることが多いです。技法によって使われるモチーフやステッチなどが決まっていることが多く、そこから出てしまうとまったく違うものになってしまうのです。

たとえば、ヘデボのウズリクスヘデボ(カットワーク)をデザインしようと思ったら、円や涙型、三日月型などを使うことがほとんどです。うさぎの形をウズリクスヘデボを刺しても、ヘデボの技法は使っているけどそれはヘデボではないというか…もちろん、好きな形で刺してヘデボを楽しむのは良いのですが、ヘデボを刺そうと思ったら、伝統的なモチーフやステッチを使うことが一般的と言えます。

そんなときに重宝するのが、このユキパリスさんの本4冊です🎵

1冊ずつお勧めポイントをご紹介していきますね!

 1冊目 デンマークのホワイトワーク HEDEBO

まずは、一番のお気に入りの本から。

2003年初版!!!20年前です。私は2009年、デンマークの手芸留学から帰国すてすぐに購入しました。

ヘデボの作品がこれでもか!とたっくさん載っています。すべての技法を網羅しています。図案とかはついていないのですが、ヘデボの図案は、円や涙型などを組み合わせれば簡単に図案が起こせるので、素敵な作品を見つけたら図案を起こしてもいいですね!

この写真はカフスですが、つけ襟やカフス、ドイリーなど小さな作品がたくさん載っているのでこの本を開けば「作りたい〜〜〜」と思うものがたくさん見つかってしまうと思います♡

写真もきれいなので、写真集としても楽しめますね。あと、いろんなパターンが載っているのでこの本を何度も見ればヘデボらしさがよくわかります。モチーフとかステッチの組み合わせ方とか。とにかく勉強になります。

ヘデボってあまり色んな太さの糸を混ぜないのです。例えばカットワークのへデボのドイリーを作るとしたら1種類の糸、しかも細めの糸で刺すのが伝統的なやり方です。昔の作品を見るときはデザインだけでなく、どんな太さの糸が使われているかなども細かく観察してみてくださいね。

作り方のページも少しありますが、白黒印刷です。刺し方については佐藤ちひろ先生の本の方がわかりやすいです。私もヘデボの動画講座を出しています!

 2冊目 手仕事にみるヨーロッパの暮らし

こちらの本は、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリアなどの刺しゅうの作品がたくさん載っています。ちょっとしたコラムもあるので、読み物としても楽しめます。

美術館の出している本より、1枚1枚の写真のクオリティが高いので、細部までよく見えるのがありがたいです。

ハンカチや昔のバッグ、ティー小コゼや袋物など、お仕立てをするときの参考にもなりそう。白糸だけでなくて、色の刺しゅうや刺しゅうの古いお道具なども載っています。

デンマークの有名な刺しゅう家グレタ。ベングトソンの作品をまとめたページもあるので、グレタさんのステッチやデンマーククロスステッチがお好きな方は絶対楽しめます。

 3冊目 イニシャル&モノグラムの刺繍

モノグラム、好きな方多いですよね。私ももちろんその1人!ヨーロッパではお嫁に行くときに、嫁ぎ先に刺しゅうをしたハウスリネンを持っていくことが多く、その時にモノグラムはよく使われていました。

字体や色、ステッチなど組み合わせは無限。古い作品は、赤・青・白の3色が使われていることが多いですよね。(刺繍糸で一番初めに作られた色は赤!)この本には、フリーステッチや白糸刺繍のステッチ、クロスステッチなどのモノグラムがたっくさん載っています。

サテンステッチとクロスステッチ、サテンステッチとドロンワークなど、ステッチの組み合わせも勉強になります。見てるとかわいくてかわいくて、刺したい気持ちがウズウズ。

図案も少しですが、載っていますよ。モノグラムが好きな人は絶対にこの本はお勧めです。

 4冊目 幸せをよぶ手仕事

今回ご紹介する4冊の中では新しめの本です。モノグラムやへデボのドイリー、カフス、テーブルリネンなどなど、ユキパリスさんのコレクションが少しずついろんな種類載っています。暮らしの中への取り入れ方など、ちょっとしたエッセイなども入っていて読み物としても楽しめる本。ユキパリスさんのすてきなコペンハーゲンのおうちのインテリアなども見れます。

本の目次はこんな感じです。アイテムごとに分かれて掲載されています。

ユキさんのコレクションもそんなに数は増えていないのか、この本に載っている本はなんとなく既視感がある感じ。ユキパリスさんのライフスタイルとかが好きな方には良いかもです!

この本だったら2冊目にご紹介した「手仕事にみるヨーロッパの暮らし」の方がお勧めかなぁ?!

さいごに

古い本はもう本屋さんでは買えないかもしれません。中古市場で結構高い値段で取引されているかもしれませんが、私は購入する価値があるかと思います。

ピンタレスなどで昔の刺繍作品を見ることはできますが、本になっていると便利!

見るたびに気になる作品が違うのも、面白かったりします(私だけ??)

昔は眺めているだけだったのに、いつのまにか本の中の作品が刺せるくらいまで刺しゅうが上達していて、感慨深い思いに浸ったり思い出の詰まった本をご紹介しました。

ちなみに。

ユキパリスさんは刺しゅうを刺すわけではなく、ヨーロッパの古い作品を収集するコレクターで京都に美術館もあります。これらの本には作り方も載っているものもありますが、この本だけで何かを作ろうと思ってもハードルは高め…。資料として見るのがお勧めです。

ユキパリスコレクション

〒606-8403 京都市左京区浄土寺南田町14
TEL FAX _ 075-761-7640

入館料 _ 600円(2階ミュージアムのみ)
営業時間 _ 11:00~18:00
休館日 _ 水・木曜日 夏期(8月)年末年始

京都のユキパリスさんの美術館もいつか行ってみたいな〜。デンマークからだと遠い!

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